話すこと、聴くこと。

(上の写真は、始まりの会のお歌絵本を聴く時間。硬い表現をすれば、子どもたちが物事を距離を置いて眺める(聴く)という練習。表象の発達に関わり、話すことにも関係していきます)

幼児期において言葉の発達と言えば、話すこと、聴くこと。学童期になれば、書くこと、読むことも新しい学びのテーマに含まれていきます。


「話すこと」の発達…とても複雑で全体的な事柄でありますが、人と人との関係性という観点から言えば、当たり前ですが「そこに耳を傾けて聴いてくれる人がいる」「話をしたい」と思えること事が、話す力をつけていく基本的な要素です。「聴くこと」もまた、あらゆる領域に渡る大きなテーマではありますが、人との関係性というテーマに絞れば、「相手のことを理解する」ために聴くということになります。


先日、教室で見かけた年長さん2人の子どものコミュニケーションを紹介したいと思います。一人の子が主に話し手になっていて、その子は言葉での表現は苦手で、ほぼ全てのコミュニケーションを豊かなジェスチャーで行う子です。そしてもう一人の子も、必ずしも人との関わりが得意な子ではないのですが、その子のジェスチャーを何とか理解してあげようと、文字通り、全身を耳にして目と心を傾けて聴こうとしています。とても集中しているので、聴き手の子も言葉を使わず、ジェスチャーで応答するんですね。この子にも私の知らない、こういう姿があるんだなぁと、心の中ではしみじみと感じていました。

これまで関わりがほとんどない二人だったのですが、話し手の子も、良い聴き手がいるためか、まるで旧知の仲であるかのように嬉しそうにジェスチャー表現を続けていました。聴き手の子も、ほんとうに相手のことを理解してあげようと耳を傾けているんですね。2人にとって、伝えようとすること(話すこと)や、理解しようとすること(聴くこと)を学ぶ、大事な過程の一つであるように思いました。


お互いがお互いに療育し合う(助け合っている)姿、素晴らしいですよね。